夏が来る

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 紙袋と引き換えにコインを払ったジェンが、片手で釣銭を断ったのが見えた。
 お、と思ったけど、何に対してそう思ったのかちゃんと言葉にはならなかった。
 なにもお手柄ってわけじゃない。3,999ゼニーなんて値札が付いた店で4枚払って、律義に1ゼニー受け取ってくる前のジェンのほうが間抜けだった。(何に使うんだよ1ゼニーコインなんて。募金か?)
 でもそういう馬鹿正直なところが確かにジェンにはあって、俺はほんのちょっと前まで、いつもそれを笑ったりイラついたりしてたように思う。完全に『おのぼりさん』って感じでプロンテラの街に飲まれてたジェンが、店で普通に買い物をしている光景は、「お」以外の言葉にならない。

 

「食べますか」
 帰ってきたジェンが、オニオンリングをひとつだけ俺に向けてくる。見るからに熱そうだったから、手に持たずにそのままかぶりついた。ずるっと中のオニオンだけが衣から抜け出て、ジェンの手にはCの形になった抜け殻だけが残った。
「あっつ、揚げたてじゃん」
「オマケで貰って」
「皮食っていーよ」
 ありがとうございます、とジェンが言った。自分が貰ったやつなのに。それから「あついですね」と食べる前に呟いた。
「だから、揚げたてって言ってんじゃん」
「いや、日差しが」
「はあ?」
 その視線につられて空を見上げる。
 確かに今日は暑かった。『暖かい』の限度を超えた太陽が空にあって、久しぶりに汗ってものの存在を思いだしたぐらいだ。強い日差しのわりに、風だけが冷たくて、素肌と法衣の間がひやっとする。そういう日だった。


「外で食うのやめっか?」
「え?」
「どこでくう? 屋根あって静かでだーれもいなくて座れるとこ。……。教会?」
「……大聖堂内で、飲食は…」
「冗談に決まってんだろ、頼まれたって行きたくねえわ」
 ジェンの顔がみるからにほっとしてて面白い。
「木陰のベンチ探しますか」
「いーじゃん、地べたで」
「たぶん、噴水広場の西側は影ですよ」
「へえー」
 なんで分かんの?と思うけど俺は聞かない。ジェンが言うならたぶん影だ。俺は知らんけど。二十年以上プロンテラに住んでるのに。うるさい、暑かったらすぐに入れる涼しい店はたくさん知ってるんで。ってか、汗かくのだって風物詩なんで。
 ゲフェンに住むやつの多くは、暑さを野蛮だと思っている。

 

「結局、いいパン屋は見つからずじまいですね」
「え、お前パン屋探してたの?」
「クロウさんが、探してるって……」
「近所のいいパン屋は軒並みつぶれたから、もうラックでいいかって話じゃん」
 常宿の名を出すと、ジェンは「そうだったのか」みたいな顔をして俺を見ていた。
「だから最近、昼飯ずっと屋台で買ってたん?」
「夏までに、良い店見つけないと、外で食べるの暑くなってくると思って……」
「店で食えばいいじゃん」
「そうですか…」

 

 コイツの中では、このままパン屋が見つからなかったら、夏は昼飯難民になっちまう計算だったのか。意味が分からないけど、馬鹿でかわいい。
 確かに近所のいきつけのパン屋はつぶれまくったけど、首都にはまだ溢れるほど店がある。
 暑くなってくるとそこら一帯の店が全部打ち水する通りもあるし、堀近くには水路が川辺みたいになった半地下のカフェバーもある。冬は寒くて行ってなかったけど。そっか、まだコイツと行ったことなかったな。

 

 暑くなっても俺と二人で昼飯を食うプランが、ジェンの中に立ってることが、なんだかうれしい。

 もうすぐ夏が来る。
 ジェンと二人で過ごす、初めての夏だ。

 

「いつまで持ってんだよ、はやく食えよ、そのC」
「……え? C?」

 


2021.05.07

恋愛相談

「でも俺は基本的に、ヤったもん勝ちかなって思うよ」

 紫煙と共に、プリースト、ツイードがそう吐き出した。それを隣で聞いていた彼の恋人のアサシン、スルガが、まるで言い訳のように飛び上がって否定する。

「いや! 慎重に行こうよ、そこはさ。好きな子でしょ? 大切にしてこ?」

  彼らは頼れるギルドの先輩二人だ。簡単な状況説明と共に相談をしただけで、この二人はいつも真剣にまっとうで的確な助言をくれる。たとえそれが恋愛相談だとしても。いくら突拍子もない内容(シャルが最近、プロンテラの露店通りで、雷にでも撃たれた気になるほど好みの女性に出会った、もう彼女の為に人生捨ててもいいが、散々のアプローチでデートにこぎつけた、この後どうすればいいか、という話)でも。

 

「つってもご交際なさってるワケじゃないんだしさ。そこまで手順踏む必要ある?」

「ご交際なさるかもしんないだろ! 将来的に!」

「このプロンテラで? 冒険者が?」

「う、まあ」

「そんな物語みたいなことうじうじ言ってるまに、隣から別の男にかっさらわれたら、それこそどうすんの」

「いやぁ……まあ」

「むこうがどういう主義主張かも分かんないのに、お付き合いしたい人前提みたいな感じでいくの、俺はどーかと思うけど」

「でも……でもさぁ、好きな子できたら、初めぐらい物語的王道でいいと思うよ、俺は……」

「リサーチ前の段階でー…? 面識ナシってったら、それってまあ、つまりナンパだろ? お前は逆ナンに誠実さ求めんの、俺なら刺激だな」

「運命的なナントカに、憧れる系だったら、…もしそうだったら、逆効果じゃん」

「はああ…?? なあ、シャル、お前自身どう思う? こんな腑抜けアサシンの夢フィルターがかかった意見、まともにきく気になる?」

 

 相談した手前、最後まで意見を聞こうと黙っていたシャルは、話を振られてようやく、堪えていた笑いを噴き出した。

「ふはは」

 ツイードが不可解そうに首をかしげるものだから、シャルは一度「いや」と手を振ってから、言葉をつけたす。

「でもツードさんには、スルガさんのアタック、効いたんでしょ?」

 ツイードは、煙草を銜えたまま、非常に苦い笑みを片頬だけに浮かべた。

「……お前は、やなとこ付いてくるね、相変わらず」

「いや、いいこと言ったよ、シャルは今」

 スルガは感心しながらウンウンと頷いて、腕を組む。満足げな恋人をよそに、ツイードは苦々しい顔を崩しもしないで、それから半分以上を諦めることにまるで手馴れたように、喫煙の動作を再開させた。

「ねえ、ツードさんはスルガさんの何が良かったの」

「は。その質問、もう百回は聞かれたよ」

 トン、と灰皿に灰を落としてから、ツイードは視線をテーブルに置いたまま、事も無げに言った。

「カラダ」

「ありえる? この人、いっつもこう答えるんだよ? 酷くね?」

「いやぁ」

 シャルはまた、快活な笑みでそれに返す。自分のギルドの先輩方は、大変愉快で参考になるのだからありがたい。

「俺もそうだから、やっぱツードさん派かな?」

 

 

2016.05.19

アイドルのツイードさんと、ガチ担のスルガさん

※現パロ

ツイード:アイドル

スルガ:強火担

 

 

 

 

「今日、休みですよ」
 ツイードが声をかけると、店の入り口に立っていた男、スルガが背後に振り返った。彼はこちらの姿を見たとたんに面白いぐらい目をまんまるにしてパチパチさせた後、「あ、あ…」と言葉にもならない声を出す。
「火曜でしょ」
 ツイードはポケットから鍵を取り出して、店のドアを開けるためにしゃがみ込んだ。隣で棒立ちしたままのスルガは、こちらの動きを眺めたままあわあわしている様子だった。
 どうしてここにいるんですか、とか、今日はお仕事お休みですか、とか、何か適当な世間話でもふればいいのだろうが、彼相手に一体どんな話題が適切なのか正解がわからないまま、ツイードは無心に解錠してしまう。
 定休日に忘れ物を取りに来ただけだったのに。

 

 ここはツイードが働く喫茶店で、彼は常連の客だ。
 去年までは、それだけのはずだった。
 それが、半年ほど前にツイードがアイドルの前座でステージに出だしてから、この常連客とはおかしな関係になってしまっていて、最近ツイードは彼の扱いに明確な指針を打ち出せていない。

 

「もしかして、スルガさんも何か忘れ物ですか」
「え?」
「店に」
「…え? いえ」
「あ、そーですか。まあ、俺はそうなんですけど」
「あ、忘れ物だったんですね」
「そうなんですよ。取りに来るか迷ったんですけど。別にこのあたりで買い物もないし」

 

 夢と希望に溢れる電気街だが、ツイードはアイテムをコレクションする趣味がない。電子書籍に切り替えてからは、ゲームの類いも全部ダウンロード型に統一して、本棚を処分した。長年、自分の庭みたいに歩いてきた秋葉原も、物欲がない状態で眺めると、遊び終わったおもちゃ箱みたいだった。

 

 開け終わった鍵をポケットにしまいながら、ツイードは立ち上がって、ちらっと後ろに目をやった。
 会場での訳の分からない格好(鉢巻きに法被、両手にうちわ)ではなく、平日のスルガはユニクロの広告みたいな服を着ている。今日だって、白のティーシャツにブルーのジーンズというシンプルな姿だ。細身すぎない体格だから、簡素な服が質素にならない。何かスポーツでもしているんだろうか、格好いい、と、以前までは思っていた。

 

「今日はステージもないですよ」
「あ、っと、……わかって…ます」
「もう、なんです、最近。やめてくださいよ、俺の前で緊張するの」
「や、すみません。…ですよね。わかってるんですけど、あの、一応、担当なんで」
「またぁ。マジのアイドルみたいじゃないですか」
「いや、ツードさん、マジのアイドルですよ」
「コスプレですよ、あんなの」

 

 それは、経緯を話すとあまりにも長くなる。
 何年も勤めている喫茶店のビルの、三階にメイド喫茶ができた。それがきっかけでオーナーがそちらと仲良くなり、普通の純喫茶だったこの店を週末だけ執事喫茶にすると言い出した。
 そんなことを言われても務めているのはツイードともう一人の友人だけだったが、仕事の制服が変わるだけで他に何か業務が増えるわけではないからという説得に負け、週末だけウェイターに毛の生えたような執事?の格好をするようになった。もともとこの街に過ごす者の一人として界隈の傾向に抵抗はなかったが、率先して衣装を着る趣味はなかったのに、もう今では仕事用の服を選ぶのが面倒で平日もその服を着ている。ベストにリボンタイに黒いエプロンなので、これじゃあバトラーというよりはボーイだろう、とは思っているが、深くは突っ込んでいない。
 そしてときどき、その制服で、隣ビル地下のステージで、地下アイドルの前座をしている。これも話せば長いが、簡単にまとめるとこうだ。
 メイド喫茶の店員たちが地下アイドルを始めると言い出して、その舞台の背景で執事の格好で立つだけのバイトを頼まれた。給料もいいので引き受けて、本当に立っているだけなのもなんだったので客の誘導や受付を手伝った。イベントは無事成功し、打ち上げにカラオケに行って、次の週末には何故かツイードもステージで歌うことになっていた。
 やはり給料がいいので引き受けたが、観客が面白がるのをやめたらすぐになくなる仕事のはずだった。
 そして気づいたらほとんど毎週、ステージに立っている現在である。
 メインのアイドルはメイドたちで、自分たちはイベント時間が切り替わる間の前座、にぎやかし兼声出し誘導だ。いつのまにか専用枠が設けられることも増えたが、どんなに譲ってもやはりアイドルではない。

 

 スルガは、そんな訳の分からない展開になる前からの、喫茶店の常連客だった。
 今度やるんで来てくださいね、と声をかけたことはあったが、特にアイドルのファンをやっていたわけでもなさそうな、むしろどちらかというと何故この街に入り浸っているのかが分からない風体の男だった。アニメや漫画にそれほど興味があるようでもない。常連客達と一緒にやったモンハンでは、強かった。連れの男に、彼はとてつもなくFPSが強いのだと聞いたことはあるが、見たことはない。
 オタク街の硬派な青年。
 そう思っていたスルガが、今ではあの地下の客席で、ツイードの名前が蛍光色で書かれた鉢巻きを巻いて法被を羽織っている。ツイードには意味が分からない。
 初めは全力のネタなのかと思った。

 二回目は、そういう滑り芸なのかと思った。

 三回目にして、『あ、この人、変な人なんだな』と理解した。

 

「昼飯食いました?」
 ツイードが尋ねるとスルガが「え、いや」と答える。ドアを開けてから「何か食います?」と聞けば、スルガは「でも、店休みでしょう?」と聞き返してきた。
「まあ、休みですけど。ちょっとぐらい開けてもいいんじゃないですか」
「いや、ツードさんの休みの日なんで、それは」
「はあ」
 緩い職場だから休日も勤務日も大した差はないが、相手がそういうのだから無理強いする気も起きずに、ツイードは店内に入る。
 カウンター裏に置いたままになっていた、自分のワイヤレスイヤホンを手に取り、すぐに戻ってまたドアを施錠するために腰を下ろした。
 
「スルガさん、なんでここにいるんですか」
「……やぁ、理由はないんですけど……日課というか」
日課
聖地巡礼というか」
「いや、それはないでしょ」
「じゃあ、日課で」
「ようは、暇なんですね」
「まあ、はい」
「じゃあ、飯でも食いにいきます?」

 

 ツイードは鍵をポケットにしまいながら、当然の流れとして食事に誘った。けれどスルガは、えっと硬直して、「いやいや」とそれを断ってきた。
「休日に、二人は、ちょっと」
「は? なんで」
「界隈の、…マナー的に」
「……本気で言ってます?? 俺、ただの喫茶店の店員ですよ。ってか、前はけっこう行ってませんでした?」
 二人きりではなかったが、ゲームの数合わせでファミレスに行ったりしたことは何度もある。
「今更?」
「……でも、いま、俺……担当なんで」
「わっかんないなぁ…」


 ツイードはスルガを知れば知るほど、彼のことが理解できない。

 たぶん、店の客として初めて会った日が一番、彼のことをすんなり理解できていた。あの日もスルガはシャツにジーンズで、強ゲーマーと言われればまあなるほどと思える感じだったから。

 

「じゃあ、もうクレーンの景品とか取ってくんないんですか」
「え」
「欲しいのあったら、スルガさんに頼んでたのに」
「…」
「今二人で行くと、デートになるんです?」
「デートッ!?!?」

 

 スルガが飛び上がって否定する。ツイードは眉を寄せて腕を組んだ。
「だって、マナー的にって言うから」
「いや、でもデートって言わないんじゃあ…」
「言わないと思いますよ、俺も。デートじゃないしなぁ」
「…はい」
「けど、それだったら、別にいいでしょ。俺と飯いっても」
 デートじゃないんだから。
 スルガが、数学のテストの難題でも見たかのような顔で、首をかしげる
「ん? んん…?」
「っていうかですね。俺の担当とかいってんの、マジでスルガさんだけなんで、界隈もなけりゃ、マナーもルールもないっすよ」
「いやぁ、それはこれから増えると思うんで」
「気が狂ってんのか、目が狂ってんのか、どっちだ?」
「でも人目があるところはちょっと…」
「はあ」
「この辺りの店も、ちょっと…」

 

 ツイードはだんだん面倒臭くなってくる。
 別にこの人とどうしても食事に行きたかったわけでもない。
 しかし『もういいか』という気持ちと同じ程度か、ともするとそれ以上に『どうにかして折れさせたい』という気持ちが、自分の中にはある。なぜだろう。スルガを見ていると、イライラするのとも、じれったいのとも、少しずつ違うまどろっこしい感情が、どんどん腹の底に溜まっていっている気がする。

 

「じゃあ、スルガさんの条件満たす店にしましょうよ」
 ツイードスマホで時間を確認してから、頭に思い浮かんだ店のいくつかを検索した。
「え?」
「ここから離れてて、人通りが少なくて、誰にも見られない個室で。そういう店ならいいんでしょ?」

 

 スルガの表情がまた、数学の問題を解き始めた。時間を待たずにツイードは今から空いている店を見つけて、歩き出す。

 

「ありましたよ、ほら、行きますよ」
「え? いや、だから二人は…」
「えー? じゃあ別々に店に入って、中で落ち合います?」
「は?」
「なんかそっちのほうが、いやらしいなぁ」
「ええ!?」

 

 ステージから、スルガにファンサをしたことはない。というか、なるべく見ないようにしている。痛いからでも滑っているからでも、迷惑だからでもない。
 たぶんツイードにとっての彼は、舞台上からじゃなくて、路上の隣から見ていたい対象なんだろう。

 

「どうせなら、WI-FI通っててゲームできるところもいいですね、久しぶりに」
「え、でも、アキバ以外だと、飲食店ではそういうの厳しいですよ」
「はあ。なるほど。もしかしてラブホとか誘ってます?」
「え!?」
「スルガさんの、えっち」
「え!?!?  この会話、なんなんです!? さっきから、意味が分かんないんですけど!?」
「……(俺もだよ。止めろよ)」
 

 

 

2021.03.02

ツイード #30day

#30dayうちの子語りchallenge
(@todomaguro0様よりお借りしました!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

day1 30daysで語るキャラクター

名前:ツイード
職業:支援プリ
外見:金髪(左目が隠れる前髪) 赤紫目
内面:ゆるだる のらくら



day2 誕生秘話

今までのキャラクター相関図とは全く関係なくROのキャラでBL書きたかった。次のカップリングはプリアサしかない、と思った。アサシンとプリーストの絡みは至上。

 

 

day3 作品内での位置づけ

 

単発の物語の主人公その1。

たまり場の常連の男プリースト。

適度な社交性もあり、落ち着いていて判断力もあるので、周囲からはそこそこの信頼を得ている。

根は真面目だか表層は不真面目。それをあんまり取り繕ったりしていないので、周りも狩りの戦力として頼りにはしているが、宛てにはしていない。たまり場に来ないことも多い、と言う認識をされている。

さっぱりとしていてかつダウナーな感じが愛嬌としてうけている。

女子人気は高いが、あまり深入りしない性格と知られているため、本気で入れあげている冒険者はいない。

 

 

 

 

day4 出身地と家族

 

イズルード出身だが、幼い頃に父を亡くし、母と一緒に母方の実家に身を寄せる形でプロンテラに移住。

一人っ子。

母の実家は裕福で、本宅の近くに別邸があり、そこを母子で借りて住んでいた。

食事等は本宅で世話になっていたので、そこで育ったような感じ。

館には、世話係のような執事の爺やと、料理や家事をする引退前のメイドさんがいる。最盛期はもっとメイドがいたが、本宅の家族の人数も減り、従者たちの数も減った。

母と血のつながりがあるのは伯父のほう。いとこが2人いて、男女1人ずつ。どちらも年上。いとこの兄のほうは冒険者で、姉のほうは本宅で静かに暮らしている。伯父の奥さんは田舎で静養中で、一緒に暮らしていない。

母が病気で亡くなってからは、別宅を引き払って、一人で宿暮らしをしているため、時折の帰省には本宅へ帰り、顔を見せている。

そういう家なので、もちろんマナー関係にはうるさいが、躾が厳しいほうではなく、どちらかというと穏やかに育った。

ただ、本人は伯父一家のことはあくまで別家庭と考えているため、いつまでも世話になれないと思っている。 

 

 

 

day5 子供の頃の夢

 

本を読むのが好きで、学者になるのが夢だった。

剣や武術はあまり得意じゃないと思っていて、職業の選択肢の中に入れていないところがある。

そのうち、魔法学よりも心理・思想・哲学に興味が出て、その道に進むうちにプリーストになっていた。

 

 

 

day6 好きな食べ物 季節 場所

 

良い物を食べて育ったので舌は肥えているが、食への関心が強いほうではないので、わりとお手軽な食べ物が好き。大衆の味を好む。ただ、食べればそれが上等品かどうかは分かる。

ワインの安物だけはいただけないな、と思っている。(でも飲みはする)

 

季節は快適な気候が好き。

場所は、適度に賑やかなところが安心する。カフェで勉強はかどるタイプ。

 



day7 嫌いな食べ物 季節 場所

 

食べ物に関しては、量は多いが安価で粗悪なものはあまり好きではない。(そんなに食べる方ではないので)
嗜好品は特にそうで、良いものでないなら必要ないと考えている。

暑い寒いでいうと、寒い方が苦手。暑いのが得意というわけでもないので、夏日のたまり場では、木陰でプリ服を脱いで肩にかけていることもある。

嫌いな場所は特にない。賑やかなほうが好きだが、極端に静かで厳格な空気でも問題なく対処できる。




day8 許せないこと、怒りの沸点

 

『許せない』というぐらい強い感情で拒絶したことは、人生でほとんどない。

許容範囲が広くあまり怒らないし、怒りを感情としてあらわにすることが少ない。
怒ったとしても皮肉を言うぐらい。
いわゆる『きれい事』の類いを聞かされると、心のうちで辟易とするようなシニカルな部分がある。

 



day9 一番大切に思っているもの

 

特別大切にしている物はない…?
食い扶持に関しては、技術一本で稼いでいきたいなと思っているふしがあるので、腕とか…。

 

 


day10 信仰について

 

教会に務めたことがあるにしては、信仰心はない。
宗教学に関しては興味があるし、観測対象として教会や教徒に関心はあるが、識者たちの思考実験ゲームだと思っているような不心得者。
自身の論文に対しても、机上の空論と割り切っていて、理想を掲げて前に進むタイプではない。




day11 作中での成長スピード

 

スルガに対しては興味のベクトルがどんどん変わっていって、恋愛感情に近づいているが、それを成長と呼ぶのかどうか…。
学者をやめたときから、自身の人間的成長に関しては懐疑的。

 



day12 最も尊敬している人物

 

過去の哲学者たち…のはず。
でもそんなに意識してない。
本人に聞いても「え…」と困る質問。




day13 ウィークポイント

 

普段は落ち着いていて凪のような態度だが、ときどきメンタルがガタっとなる。
何をやらせてもそこそこ小器用だし、周囲からは有能と評価されることが多いわりに、自己評価が高くない。むしろ自分をダメな人間だと思っている。
ただ、ダメな部分を改善しようという気持ちはまるでないので、自分で作ったハードルを永遠に越えられない、みたいな矛盾したジレンマがある。

 

 


day14 初期設定と変わった点

 

受けもするかな、と思っていたら全然やらなかった。
何があっても絶対、嫌だ、と心から思っている。無理にすると吐く。

 

 


day15 他キャラクターとの関係

 

スルガ:最近付き合い始めた恋人。気が合うタイプじゃないと思っていたけど、案外、不思議なところで合う。身体は好み。

オーフェンたまり場を紹介してくれた友人。顔が広くて忙しそう。

ビジャック:オーフェンの友人。たまり場で知り合った仲。

イアーゼ:たまり場で知り合った仲。わりと気が合う。さしで飲む。 

 

 


day16 恋愛観 結婚観

 

恋愛や結婚を、個人対個人の付き合いと考えている。
周囲を巻き込みたがらず、当人との対話に重点を置く。

 

お互いを尊重し、依存しあわない恋愛が好き。結果、カジュアルな恋愛が多くなるが、別にチープさやイージーさを求めているわけではない。
月に1、2回しか会わない恋人を作るタイプ。
衝動的な性欲に左右されることは少ないが、一度決めたら手は早い。

結婚は「向いていない」と本人が固く信じている。実際は、別に向いていないことはない。




day17 本人が思う自分と第三者から見た印象のギャップ

 

たいへん落ち着いており、発言もロジカルなので、周囲からは『たまり場の理性枠』という評価。
また、髪質がとてもよく、顔半分にかかる金色の前髪がきれいなので、雰囲気イケメンなこともあり、周りからは一目置かれた男前扱いをされている。

本人が考える自分は、学者くずれのろくでもない自堕落な冒険者。現代でいうところのフリーターでフラフラ生きている感覚。
最低限のことしかせずに、気ままに遊んだりしているつもり。

 

 

 

day18 サプライズされた時の反応

 

「え」という顔をした後、「……わー…びっくりしたぁ」と呟くように言う。

内心とても吃驚している。

サプライズを予知する能力は、それほどない。

察知していた場合、される前は心底冷え切った気持ちだけど、されてみれば案外悪くない気持ち。




day19 人生の目標

そこそこには充実したい。

原価分は取り返したい、という気持ちに近い。

払った分ぐらいは楽しみたい、とも言える。

 



day20 動かしやすさ

 

感情表現は落ち着いているものの、気分の浮き沈みが激しいので行動に振れ幅があって、動かしやすい。

面倒がるが、腰が重いわけでもない。

一人の時の行動力がある。仕事の日も休日も同じぐらいのアクティブさで動くので、物語の起因にも特に困らない。

けれど、他人の揉め事に首を突っ込んでいくことはないので、あくまで本人の世界の中のことだけで完結しがち。




day21 恐れていること、もの

 

他人からの失望。

失望に対する純粋な恐怖もあるし、自分がちゃんとしていないことへの申し訳なさもあるし、根底には少しのプライドもある。

あまり期待させたくないので、そういう風に振舞うことが多い。 

理想を押し付けられそうになった時の嗅覚が鋭く、察知してすぐに回避できる。

 

 


day22 笑い方 泣き方 怒り方

 

皆の前だと普通にけらけら笑う。声も上げる。一人の時だと表情に出して笑わないし喜ばない。

一人で思い詰めている時はもしかしたら泣くかもしれない。でも理由を聞かれても「分からない」と答えるしかないような感情が原因であることが多いと思う。

怒るときは静かに怒る。皮肉的な挑発をすることもある。相手を幻滅したり見限ったりするような怒り方はしない。

 

 



day23 わからないことがあった時の行動

 

その場では一旦保留にする。

後で一人の時にふと思い出して調べる。手段は主に本。

保留にしたことを忘れている時も多い。



day24 死生観

 

生きる死ぬのことを、そんなに真剣に悩んだことはない。

どう生きるか、についての悩みの方が大きいので、生に寄っている。




day25 服、装備、持ち物を選ぶ基準

 

自分で収拾がつけられないので、あまり多くの物を持ちたがらない。

持ち物の取捨選択が下手。

自分の中に価値観の基準が沢山ありすぎて、どの基準で判断すればいいのか分からなくなることが多いから。

多角的に物が見れるともとれるが、自分がない、と本人は思っている。

本人個人の趣味としては、手に馴染む皮製品、暗くて濃い色の物、重くてもあつらえの良い物、等が好き。

 

 


day26 心を開いたサイン

 

建前だけでなく、本音の否定的な意見を共有してくれる。




day27 臨時収入の使い道

 

…貯金? 物欲がない。

あまり貯めることにも興味がないから、「臨時収入が入ったんで」と仲間に奢ることが多いのかもしれない。

 

 


day28 恋愛経験

 

今までカジュアルな恋愛をしてきた。

知的で淡泊な女性を好み、教師やアナーキストといった有識者と付き合ってきた経緯がある。
彼女たちから、自身の漫然とした生き方を散々ダメ出しされてきたので、「結婚するなら俺じゃなくて、もっとちゃんとした人間としたいだろうな」と感じることが多く、自分もその程度のニュアンスで交際する。

どんな馬鹿と付き合っていても、相手の事は尊敬している。
フリーの期間は「もう付き合うのはこりごり」と考えているようなタイプ。




day29 ここだけ話、裏設定を3つあげる

・教会の仕事は辞めたものの、論文執筆は細々と続けていて、論文博士号も取れるほどにはなっているが、本人が学位に対して興味がなくなってしまった。

・本宅に住むいとこの姉からは恋心を寄せられているのを察知しているが、知らぬふりで通している。結果、彼女からとても冷たく接せられているが、それも気づかないふりで親戚としての付き合いと挨拶を続けている。

・スルガに対しては、挿れる以外だったらどんなえっちなことでもしてくれるが、マジでケツだけは駄目。



day30 今日の日記

 

(思いついた仮説や、見当をつけた参考文献などのメモ。狩りのことや冒険者としての情報も少しだけあるが、ほとんど考え事の自由帳になっている)

 

 




最後までお付き合いくださりありがとうございました!
2021.02.07

 

スルガ #30day

#30dayうちの子語りchallenge
(@todomaguro0様よりお借りしました!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

day1 30daysで語るキャラクター

名前:スルガ
職業:アサシン(クリティカル型)
外見:水色髪 緑目 平凡
内面:頼りなさげ 根本はドライ



day2 誕生秘話

今までのキャラクター相関図とは全く関係なくROのキャラでBL書きたかった。次のカップリングはプリアサしかない、と思った。アサシンとプリーストの絡みは至上。

アサシンはガチの暗殺者か、とんでもないヘタレが好き。

 

 

 

day3 作品内での位置づけ

 

単発の物語の主人公その2。

たまり場の常連の男アサシン。

腕は立つのに何か抜けているところがあり、周囲が気を許しやすいため沢山の仲間に囲まれているタイプ。

とてもフランクで裏表もなく、本人も難しいことは分からないから嘘偽りなく率直に意見を言う。態度や表情も分かり易い。

たまり場にはほぼ毎日顔を出していて、来ないと予定が狂うので怒られたりするが、その理不尽な文句にも「えーなんでよー」と言いつつも「ごめんごめん」と謝るタイプ。

なのでちょっと侮られている部分もある。

戦闘が強いので、そのあたりでバランスが取れている。

 

ある日突然、自分がツイードに惚れていることに気づいて、それ以来、彼の前ではどぎまぎしていた。初恋なので勝手も分からず、今も周囲にからかわれながらツイードとの恋愛関係を過ごしている。

 

 

 

day4 出身地と家族

 

出身はアマツだが、幼い頃にモロクに移住している。

母の再婚相手の素行が悪く、あまりよい家庭環境で育っていない。

妹と、義理の兄が3人、異父兄弟の弟1人がいる。

両親不在時間が長い家庭で、子供たちだけで食事を取ったりしていた。兄弟仲は悪くはないが良いわけではなく、特に助け合ったりはしていない。 

たまに帰ってくる義父は不機嫌であることが多く、わけもなく殴られたりしていた。

 ただ、被害は義父の実子である兄達に集中していたので、本人は隣で茫然とみていた記憶が多い。

母はその内、妹と弟と自分を連れて離婚したらしいが、よくわからないうちに妹弟を連れてどこかに行ってしまった。そのころにはノービスだったので、そこから自活して今に至る。

現在は、兄弟はおろか両親とも連絡がとれず、どこで何をしているのかも知らない。

恐ろしいことに、本人も興味がない。

 

 

 

day5 子供の頃の夢

 

夢という夢は持っていなかったが、日向ぼっこしながらご飯でも食べれたら幸せだなぁという希望ていどはあった。

殴られない環境のほうがいいな、とか、そういう基準でアサシンになっている。

 

 

 

 

day6 好きな食べ物 季節 場所

 

分かりやすい食べ物が好きなお子様舌。ウィンナー、ミートソース、目玉焼き、ベーコン、チキンレッグ、マッシュポテトなど。

 

一人きりだと神経が研ぎ澄まされすぎて、過集中になる傾向があるので、知り合いのいる場所のほうが気が楽。

 

季節に好き嫌いを感じたことはない。

 



day7 嫌いな食べ物 季節 場所

 

特別に嫌いな食べ物はない。

発酵食品は、人が嫌がるものでも割と平気で食べられる。

(アマツ出身なので、ミソ、ソイソース、ナットウなどもいける)

 

嫌いな季節や場所はあんまりない。

どこでもそれなりに適応していくタイプ。




day8 許せないこと、怒りの沸点

 

実はそもそも怒りという感情が、正確に理解できていない。

だいたいこういう感情、というのは検討がついているが、身に染みて感じたことがないのかもしれない。

かなり理不尽な暴力に晒された子供時代を過ごしたが、腹を立てて反抗するというよりは、自然災害への対策を練る感じで、問題をやりすごしていた。

今現在の環境で、あれ以上に理不尽なことにあうことはまずないし、怒りを感じる機会がないという状況。

怒りが無い、というよりは、沸点が高すぎて日常にはない感じ。

 



day9 一番大切に思っているもの

 

たぶん、ない。

本人は、「武器…? これがないと困るし」と答えるような性格で、『いや、そういうのじゃなくて』と言われても、「???」とピンとこない顔をする。

 

ツイードと付き合うようになってから彼のことは大切にしているので、もしかしたらツイードなのかもしれない。 

 

 


day10 信仰について

 

信仰心は、まったくない。

本気で信じている人がいるとも思ってないので、敬虔な人に出会ったら本気で驚くと思う。そんな人と接点がないので出会うこともない。

実はルーンミッドガッツの国教も知らない。外国とは宗教が別とか、信じている神様が違うとか、そういう事もまったく知らない。




day11 作中での成長スピード

 

人を好きになったのが初めてなので、気づきからの自分に対する解像度の上がり方が急激。

俺ってこういうこと考えてたんだ、という発見。でもそれが割と平凡で普通なことだろう、と思っている。

 

 



day12 最も尊敬している人物

 

そんな人いない。え?みんないないでしょ?ええ??

居る人の人生が分からない。




day13 ウィークポイント

 

他人に何かをしてもらうことが下手。

本人は平凡な冒険者のつもりだし、その通り平凡に見えるが、実際は普通とはとてもギャップがある。

 

 


day14 初期設定と変わった点

 

サイコパスではない。根幹ドライモンスターなだけ。

 

 


day15 他キャラクターとの関係

 

ツイード最近付き合い始めた恋人。何故好きか分からないがとても好き。心臓がドキドキする対象。

スミ:たまり場の友人。同じアサシンなので、ギルドの事とか教えてくれてありがたい。

イアーゼ:たまり場で知り合った仲間。

 

 


day16 恋愛観 結婚観

 

恋愛のことを人から聞いているだけの知識としてしか知らなかった。

実際にしてみて、「わ、本当にドキドキするんだ!」みたいな驚きがある。

皆も恋愛しているらしいので、割とオープンに喋るほうだけれど、とても恥ずかしい。なんでこんなに恥ずかしいのか分からない。

自分の事は恋愛初心者だと思っている。

自分がし始めてから、他人の恋愛の話をちゃんと聞くようになった。

 

結婚については考えたこともない。




day17 本人が思う自分と第三者から見た印象のギャップ

 

ギャップはほぼない。

よくいる冒険者だけれどちょっと抜けているところもある。

押しに弱い部分もあり、気の良い性格もあいまって人に強く出られない。

ごくごく普通のアサシン。これが本人と周囲の人間の認識。

 

実際は、痛い辛い怖いなどの恐怖に対する心の痛覚が麻痺しているところや、まともな教育を受けていないので一般教養や伝統行事等にとんでもなく疎いところがある。

本人も気づいていない部分でネジの飛んだ思考をすることがあるが、露見しないので人から指摘されることもほぼない。

ツイードは段々とそれに気づいてきている。

 

 

 

day18 サプライズされた時の反応

 

「え、え、え、え」とキョロキョロするが、自分を喜ばせるための企画だと悟ると気が抜けて笑う。




day19 人生の目標

 

楽しく過ごしたい。

 



day20 動かしやすさ

 

癖のない行動をするので、動かしやすい。

ドギマギする割には大胆なこともする。

ツイードに対するアクションには積極的な反面、一人で過ごす休日などは、マジでまったく何もしていないので、描写することが一切ない。

何もない時間を何時間でも過ごすことが出来る。

本人は、何も考えずぼーっとしているのが結構好き。




day21 恐れていること、もの

 

ツイードには振られたくないが、恐れているというのとも違う。

 

 


day22 笑い方 泣き方 怒り方

 

普通に笑うが、大笑いをするほうじゃない。

何かにウケているというよりは、人とワイワイして笑っていることが多い。

 

一般的なタイミングで怒るが、ムっとする程度で長引きはしない。

たいしたこともないので、たいていは我慢する。

 

 

涙腺はない。 

 



day23 わからないことがあった時の行動

 

分からないまま放置。

知らないと困ることが、あんまりない。

 



day24 死生観

 

人間は、ふとした瞬間に何の前触れもないまま、実にあっけなく死ぬ、と思っている。

逆に生きる事もそれぐらいふわっとしたものであって、命を尊ぶということはない。

生死に対してフラットな思考。




day25 服、装備、持ち物を選ぶ基準

 

使い勝手や良くて、そんなに高くなかったらそれでいい。

店に入って一番最初に目についたものが、条件をクリアしていた場合、二つ目と比較することなくそれを購入する。

なので、買い物時間は非常に短い。

色や素材等にまったく興味がない。

装飾品や娯楽品にも興味がなく、部屋には装備品と薬と食品以外なにもない。

 

 


day26 心を開いたサイン

 

初めからフルオープン。

逆に言えば永遠にクローズドともいえるが、でも本音を隠しているわけではなくとても素直な気持ちを表現しているので、やっぱりオープン。

本音と建て前という概念はあるものの、隠すのも下手なので意味はない。




day27 臨時収入の使い道

 

いい回復剤を買って、いつものタイミングで使って、終わり。

(赤ポのタイミングで白ポ飲んで終わり、みたいな感じ)

戦闘の底上げにはなるが、仲間の誰もそんなことをしているとは思っていないので、狩り効率は変わらない。

 

 


day28 恋愛経験

 

恋愛経験はツイードが初めてで、それ以外ない。

肉体関係にあった女性は何人かいたが、交際するとかそういう話にはまったくならなかったし、それぞれの期間もすごく短い付き合いだった。

だいたい誘われて、断る理由もなく、いつのまにか会わなくなるパターン。




day29 ここだけ話、裏設定を3つあげる

・生き別れになった兄弟たちのことをガチで心配していなくて、「どこかでなんとかやっているだろう」と不自然なぐらい楽観的。

・虐待されていたという認識もない。

・夢の中では、ツイードと、自分が挿入する側で何回もえっちなことをしている。申し訳ない気持ちもあるが楽しみな気持ちもある。

 



day30 今日の日記

 

(つけていない。日記なんてつけてる人、本当にいるの???)

 

 




最後までお付き合いくださりありがとうございました!
2021.02.07

 

アルベルタの海とコーヒー

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 狩りの休日の朝に、早くから階段広場でコーヒーを飲んでいると、レニのことを思いだす。

 遠くに見えるアルベルタ港の船と朝市、ちらちらと光を反射する海面。これを見ながらホットコーヒーを飲むのがこういう日の楽しみで、朝早い俺のこの楽しみに付き合ってくれるのは、パーティーの中ではレニだけだった。後の一人は、こんな時間じゃあ宿屋で寝息を立てている。現に今だってあのウィザードはベッドの中だ。

 

 別に、レニがコーヒーを好きでもないことは知っていた。直接聞いたわけじゃない。聞けば本人は「え?好きだよ」と答えるに決まっている。でもあいつは、『嫌い』じゃない物のことはほとんど『好き』というし、たぶんその嫌いなことにだって、誰かが誘えば大抵腰を上げてついてくる。だから、あいつが本当に好きかどうかはこっちから推察するほか知りようがなかった。

 馬鹿みたいにフットワークが軽くて、笑えるほどバイタリティがある――レニはそういうやつだった。

 一度、なんでそんなにほいほいと体が動くんだと聞いてみたことがあったが、レニは不思議そうに眉を寄せて「んー剣士はみんなこんなもんじゃね?」と言っただけだ。もちろん、そんなわけない。

 

 俺が自分の選んだ職業に対して、ちゃんと胸を張れるようになれたのはたぶん、レニが「すげえ」と言ったからだと思う。

 マーチャントになりたてのころ、アルベルタの森でスポアを狩っていた俺に、突然あらわれたレニは眼を見開いてそう言った。俺が武器に斧を持っていたから、っていうどうってことない理由だった。ぶっちゃけ斧だって、攻撃力が高そうだったから適当に持っていたにすぎなくて、実際に振るってみてあまりの重さにちょっと後悔していたところだった。

 その場でレニに貸してみたら、すぐにあいつも使えてた。だから別に凄いことじゃない。でもレニがすげえって言ったから、俺はそのまま斧を持っていたし、清算にしたって、買い付けにしたって、あいつがいつだって「マジですげえ」って顔をしていたから、ソードマンの隣でも堂々とマーチャントがやれてたんだと思う。

 レニのそういうところに、助けられてきたのは、レームのやつも同じだったんだろう。

 あのウィザードも、森でウィローを狩っているところをレニが見つけたと連れてきたマジシャンだった。「一撃で倒せんの、すげえよなあ」とレニが言って、隣でレームが照れながらカラいばりしていた。

 俺はあの時、ちょっと面白くないなと思ったけど、それはレームの馬鹿みたいな性格に対してというよりは、レニの賞賛の対象が増えたことに対する嫉妬だったのかもしれない、なんて思ったりもする。

 

 俺たちはどのギルドにも入らなかった。パーティーとして一つの仕事を請け負ったこともなかった。だからもちろん、財布を一緒にしたこともない。

 いつもどこかに冒険に出かけては、狩った分だけ清算して、じゃあなと宿で別れていく。次の日、いつもの場所で自然と落ち合って、またぞろぞろと狩りに出かける。目標は明確だった。二次職になること。俺たちは全員、話し合ったわけでもなく二次職を目指していて、それが当たり前だった。

 

 そのうち腕も上がって二次職への転職が決まった。それぞれが転職試験をクリアしたあと、真新しい職業服に袖を通した俺たちは、また自然とアルベルタの宿屋に集まって祝い酒を飲んだ。

 でもその日は、それまでの日々と違ったことがあった。

 レニが「俺、プロンテラのギルドに入ることになったわ」と言い出したからだ。

「いいなって思うギルドがあったから、入りたいって言ってみたら、入れることになってさ」

 俺はあっけにとられてレニを見ていた。まさかそんな事をレニが言い出すなんて、思ってもみなかった。隣でレームがまったく同じようにポカンと口を開けていたのが見えて、その間抜けな顔に少しだけ冷静な気持ちになった。

 ふいを突かれた、と、どこかでそう思っていた。

 

 俺たちは約束しあったパーティーじゃない。パーティーを組んだのだって、公平にするためであって、団結するためじゃなかった。

 ノービスになって、一次職になって、経験を積んで二次職になる。そういう初めの道筋は、たいていの冒険者が通るお決まりのルートだから言わずとも共有できた目標だっただけだ。俺たちは、乗り合わせた船が一緒の同期であって、一生涯を共にするパーティーじゃない。俺はそれをどこかで分かっていたはずなのに、根本的なところで理解していなかったように思う。レームのほうは、俺よりもっとそうだった。

 

「今までみたいに狩ればいいじゃん」とレームが言って、「んーでも、もっと他のところも見てみたいじゃん」とレニが返した。

 その会話の行き違いを俺は客観的に理解できたのに、どちらにも説明はしないまま、ずっと二人を眺めていた。

 

 今になって思うのは、俺とレームは、まるで子供のころの仲間たちと遊びに出かけるような感覚で、狩りをしていたんだな、ということだ。

 いつまでも続くわけじゃないっていうのは分かってたのに、別の人生を歩みだす岐路が、ある日突然の別れみたいに感じてしまう。

 

 同じギルドに入るよ、と俺は言えなかった。だからレームにも入れよと助言することができなかった。あのウィザードの場合は、俺と違って、誰かに乗っかって入った方がいいって俺には分かっていたはずなのに。それを今でも時折思い返すことがある。でもたぶん、俺がいないと、レームとレニは行き違いになっているんだろうとも思う。

 

 帰って来いよ、とレニには言えない。

 だってここには何にもないから。

 俺たちの住み慣れた、居心地のいいアルベルタがあるだけ。アルベルタはそれだけの町だ。

 

 俺は今のこの暮らしが最上だとは思えないけど、否定したいとも思えない。

 海を眺めてコーヒーを飲む朝の時間は、俺の人生のすごく美しい景色だと思う。

 

 レニには、いつだって「すげえ」って言っててほしい。

 

 もうそろそろ、レームを叩き起こして、狩りの準備をする時間だ。

 

 

2021.01.27

カリシュ #30day

#30dayうちの子語りchallenge
(@todomaguro0様よりお借りしました!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

day1 30daysで語るキャラクター

名前:カリシュ
職業:殴りプリ
外見:銀髪蒼目 彫刻的美形
内面:淡白 虚無感



day2 誕生秘話

とにかく殴りプリが作りたかった。BSと組ませてアドレナリンラッシュがしたかった。

美形設定にしたけれど、あまりにもあまりだと恥ずかしかったので金髪じゃなくて銀髪にした。今考えると銀髪のほうが、あまりにもな気もする。

 

 

day3 作品内での位置づけ

 

この物語が始まった開始時点での主人公、2人のうちの1人。

色々あって今のギルドに加入した。

落ち着きもあり肝は据わっているが、いわゆる一般常識の感覚が薄く、コミュニケーション能力に乏しい。本人に悪気はないが、改善の努力をしていないので怠惰。

自分の意図が上手く伝わらないため、口数は少なく仏頂面。少し突き放した物言いをする。諦め:不愉快:憔悴=5:3:2

以上のような社会不適合の性格を、すべて高すぎる顔面偏差値で帳消しにしている。冷たい彫刻のような美形。そのことを本人はあまり理解していない(無能)。

ギルド内でのイベントはあまり積極的に参加せず、飲み会も渋々座っているだけ。

メンバーも心得ており、「アイツはああいうもん」「放っておけ」という雰囲気。

 

 

 

day4 出身地と家族

 

孤児なので出身地は分からない。

3歳ぐらいの時分に、イズルードで迷子になっているところをプロンテラ教会所属の男性プリーストに保護されて、そのまま首都の孤児院に入った。

エスカレーター式にアコライトになりプリーストへ。そうでもなければ性格的に向いていないプリーストへの道は選ばなかったと思う。

拾ってくれたプリーストはその後よく気にかけてくれたが、仕事での遠征中に行方不明。現在は失踪後の死亡処理がなされている。

カリシュ本人は、この事件にそれほど衝撃的な影響は受けなかったが、彼の訃報を聞いて「冒険者になろう」と進路を決めた。

ちなみに自分の出自には全く関心がなく、家族がいないことも孤児院で育ったことも悲観していない、というかまったく気にしていない、それが当然だと思っている節がある。



 

day5 子供の頃の夢

 

周囲に関心もなく、将来に希望もない子供だった。

修道院の規則は厳しく、それを守るだけで大変精神を摩耗したので、個人的な趣味や楽しみを見出す余裕はなかった。

今でも時間の有意義な過ごし方が分からないまま。

 

 

 

day6 好きな食べ物 季節 場所

 

ほとんど無い、と本人は思っている。

実際、それが原動力になるような意味での好きな食べ物や場所はない。けれど好みのものはある。

海産物や酸味のある果物はよく好んで食べる。選択を面倒臭がるので、食べられる味に出会ったらその店では同じものを頼み続けるところがある。

季節や場所は、煩わしくない穏やかな空間を好む傾向が強い。

 



day7 嫌いな食べ物 季節 場所

 

あまりない。極端に言ってしまえば世界のすべてのことがぼんやりと嫌い。

特に、行動を制限されたり五月蠅いことを言われたりするのが苦手なので、そういうものに関わり合いのある物や場所には寄り付かない。




day8 許せないこと、怒りの沸点

 

上記のようなことを強要されたりすると、顔を顰めて無言で帰る。

気を許したギルドメンバーには、男性に限り足が出ることもある。

沸点は高くも低くもない。戦闘中以外、大きな声を出すこともない。

 



day9 一番大切に思っているもの

 

ほぼない。

現在は、自分の睡眠を助けてくれるフィオナを手放したくない一心で、自分の出来うる限りをつくし大事にしている。(が、それも大したことは出来ていない)

 

 


day10 信仰について

 

信仰心はない。形式的なことだと思っている。

が、教会の中では、その形式と秩序をかなり厳重に重んじる。そういうのも『やらないと非常に面倒くさいことに繋がることを知っている』に過ぎない。




day11 作中での成長スピード

 

成長はかなりある。

主に対人関係のことで、一般常識が通じず共感能力が欠如しているところを元相方BS(兼元恋人)のクトノに口うるさく言われてきた。

彼との関係を続けたかったので、その常識に擦り合わせるよう、少しずつ変化してきた経緯がある。

結局、分かってなさ過ぎて振られた。

フィオナと付き合いだしてからは過去の学びから、言動は本人なりに慎重にしている。

 



day12 最も尊敬している人物

 

いない。

強いてあげるなら、自分を拾ったプリーストのラズライド。今は彼の親友だったプリーストのアレイスに教会での仕事を融通して貰っている。



day13 ウィークポイント

 

睡眠に弱い。不眠や過眠にすぐなる。

人に助けてもらわないと生活できないわりに、人付き合いが苦手なので、大変苦労している。

人間的な平衡感覚が鈍く、社会通念によく殴られている。

 

 


day14 初期設定と変わった点

 

初期は自分の態度に対して悪びれがなく、それで特に困りもしていなかった。

クトノとの関係の中で、自分がおかしいのか?間違っているのか?という疑問が生まれ、しばらく悩んだ。(顔や態度には出ない)

現在は、自分ではどうしようもないが人には嫌がられるらしい、という部分を大まかに理解している。それを控えることもできる。

 

 


day15 他キャラクターとの関係

 

クトノ:元相方。長く付き合っていた。めちゃくちゃ世話を焼いてくれたが結局振られた。

フィオナ:恋人。精神面で生きる屍になっていたところを救ってもらった。ある種の命の恩人で、最後の砦だと思っている。

ディーユ:ギルメンの会計。便利。

クロウ:ギルメンの支援プリ。ときどきウザい。

ジェン:ギルメンの…たぶんWIZ。メガネをかけていた…?

ナツキ:教会での上司アレイスの助手。皮肉屋の先輩。

テオ:教会で見たことがある気もする。

 



day16 恋愛観 結婚観

 

恋愛をしているつもりはないが、恋愛のような人間関係を築くのがどうやらかなり下手らしいという認識はある。

努力してもどうにもならなかったので、たぶん一生なおらないだろうなぁと思っている。

結婚に関しては、他人がするもので自分事だと思っていない。





day17 本人が思う自分と第三者から見た印象のギャップ

顔があまりにも良すぎるので、性格は好意的に補正されがち。
他人には特に口数が少ないので、クールで格好良く、ともすれば冷酷に映る。

実際は、格好良く見られようという気はまるでなく、面倒見も非常に悪い。他人は他人、自分は自分、という精神が徹底して根幹にあり、意図的に人に切り捨てたり攻撃したりするようなことはしない。

すました顔をしているが、考えていることは『眠い、面倒くさい、帰りたい』等。

 

 

 

day18 サプライズされた時の反応

まったくいつもと変わらず受け流す。

サプライズされていることに気づかない事すらあるかもしれない。ただ五月蠅く騒がれているだけと捉えるかも。

もちろん、喜ばない。

 

フィオナにされた場合は、礼ぐらいは言う。




day19 人生の目標

ない。

冒険者になって、そこそこ生きて、そこそこに死ぬ、というつもり。



day20 動かしやすさ

 

人格は把握しやすいし、行動の予測は手癖的に理解できるが、動かしやすさでいうと、本人がそもそも動かないのでそういう意味で動かしにくい。

他人に興味がなく、なんなら自分にも興味がない。

行動する理由が非常に少ない。

ときどき鋭く本質をつくような意見を言うこともあるが、そういう時はだいたい常識に捕らわれない発想が功を奏している。

クトノかフィオナが絡む出来事なら、重い腰が上がる。

主人公ならまだしも、脇役にすえると大体途中で帰ってしまい退場することになる。



day21 恐れていること、もの

 

死ぬこと。

その手前の、『死ぬほどの苦しみ』を味わわなければいけないだろう未来。

 

 


day22 笑い方 泣き方 怒り方

 

笑わないし泣かない。

怒るのは何パターンかある。

不機嫌なときと、我慢ならないとき。

大抵、人に何かを強制されたり面倒な絡まれ方をしたときに怒る。感情的になることはあまりなく、嫌そうな顔で邪険にするか、すぐ足で蹴る。

 

最近は、恋人のフィオナに対して穏やかな顔になることもある。

フィオナからすると『笑っている』らしいが、表情筋的に笑ってはいない。

 



day23 わからないことがあった時の行動

 

見なかったことにして諦める。

後回しにする。

人に投げる。



day24 死生観

 

生きてる意味がまったくないが、死ぬ意味もまったくない。

痛みや苦しみに対するヘイトはあるので、積極的に死のうとは思わないが、生に対して常に根源的な虚無感がある。




day25 服、装備、持ち物を選ぶ基準

 

必要な物は仕方なく揃える。

使えるものだったらなんでもいい。

人が用意したものでも抵抗感はなく、むしろその方がラク

極度に扱いづらいもの以外、こだわりもない。

 

 


day26 心を開いたサイン

 

心を開いたら、一緒に寝たがる傾向がある。

自分の寝床に引き込む。




day27 臨時収入の使い道

普段の収入との感覚的な違いがない。

収入は収入、という感じ。

ちなみに普段の収入も生活必需品を買えば、その他は使い道がない。

 

 


day28 恋愛経験

 

まともな恋愛経験はない。

顔がいいので人に言い寄られることは多いが、人付き合いを避けたがるので交際関係に発展することはなかった。

年頃あたりで誘われた女性と適当に寝たことはあったが、あまりよさが分からず、デメリットのほうが目立ったため、ワンナイトもすることがない。

ちなみに性欲はある。が、波があり、不定期。

今まで恋愛関係に発展したのは元相方のクトノと、現恋人のフィオナだけ。 
感情移入が下手で共感能力に乏しいため、相手の事を慮る事がむずかしい。

本人は人生に対してどうしようもない虚無感を抱えており、それは恋愛で埋められるものではないので、恋人からすると無力感に苛まれるのかもしれない。





day29 ここだけ話、裏設定を3つあげる

・カリシュの記憶にはないが、母は神経質でプライドの高いウィザード、父は女遊びの激しいブラックスミス。父はプロンテラに住んでいる。異父兄弟のアサシンが1人いる。

・拾い親のラズライドは、モロクのアサシン組織の事件に巻き込まれて既に死亡している。現上司のアレイスはそれに囚われたままである。

・性癖は先端フェチ。指や耳を舐めるのが好き。



day30 今日の日記

 

(クトノにばれて以来、日記は書いていない)

 

 

 




最後までお付き合いくださりありがとうございました!
2021.01.18